院長ブログ
白っぽいウンチ
2019.10.31
『膵臓』はヒトで言えばみぞおちの奥の方で、胃袋の後ろ側で十二指腸の近くにある横長な臓器です。
膵臓には、ふたつ2つの働きがあります。
ひとつは食物の消化を助ける膵液を、十二指腸へ送り出しています。
膵液にはタンパク質や炭水化物、脂肪などを分解する消化酵素が含まれており、これらが食物の栄養を分解します。
また胃液で酸性になった食物を中和し、腸での消化活動をスムーズにもします。
膵液はとても強力な消化液であるため、十二指腸に分泌されてから消化能力が働くようになっています。
しかし膵臓にトラブルが起きてしまい、膵臓の中で膵液の消化能力が働いてしまい膵臓の内部や周囲に病変を生じさせてしまうものが膵炎です。
もうひとつの働きは、血糖値の調節をするホルモンである「インスリン」を作り血糖値を調整することです。
インスリンが作られなくなって起こるのが、糖尿病です。
膵炎は、このごろよく診られる病気のひとつです。
この膵炎には、急性と慢性があります。
急性膵炎は強い痛みを感じ、前肢を伸ばして胸を床につける「祈りの姿勢」が見られることがあります。
症状としては元気や食欲が落ち、嘔吐など、また黄疸などですが、死に至ることも多い病気です。
慢性膵炎では膵臓の細胞が徐々に壊され、膵臓が硬くなり本来の機能が失われてしまう病気です。
慢性膵炎の初期は腹痛を繰り返します。
下痢をすると、悪臭を伴う白っぽい薄い黄色状の脂肪便となります。
これは消化酵素の分泌が落ち、消化吸収不良になるためです。