慢性腎臓病食
2020.08.23
腎臓病は、腎臓の中にある糸球体や尿細管が冒され働きが悪くなる病気です。
腎臓の機能は一度失われると回復することがなく、慢性腎不全になってしまいます。
慢性腎不全の治療の目的は、病状の進行を抑え合併症の発症を防ぐことです。
慢性腎不全は知らず知らずのうちに進行するため、早期治療が大切です。
腎機病の進行を遅らせるためには、タンパク質や塩分などを制限した食事療法を行うことが大切です。
しかし方法を間違えてしまうと、逆に病状が悪くなってしまうこともありますので注意が必要です。
■なぜタンパク質を制限する必要があるのでしょうか?
タンパク質は消化されると、老廃物が作られます。
この老廃物は、腎臓からオシッコと一緒に体の外に出されます。
しかし腎臓の機能が低下すると、老廃物が捨てられず体の中に溜まってしまいます。
このような状態にならないようタンパク質の制限を行い、腎臓の負担を軽くしてあげます。
しかしタンパク質の制限を行うと、カロリー不足になってしまいます。
そのため、それを補おうと筋肉からカロリーを摂るため筋肉が痩せていきます。
この状態が続いてしまうと、腎臓の機能をさらに悪くしてしまいます。
このようなことにならないためには、十分なカロリーと良質のタンパク質を摂ることが大切になります。
■なぜ塩分を制限する必要があるのでしょうか?
体には多くの水分が含まれており、その量を調節しているのが塩分です。
そして塩分を調節しているのが、腎臓です。
腎臓の機能が低下してしまうと、塩分を体の外に出すことが出来なくなってしまい体に塩分が溜まってしまいます。
塩分と同時に、電解質の1つであるカリウムも溜まってしまいます。
その結果、高血圧やむくみ、心不全を起こしやすくなってしまいます。
このような事が起こらないようにするためには、食事療法が大切になります。
腎臓が悪いと、腎臓病専用の療法食と思う方も多いとは思います。
当然ですが、療法食はタンパク質と塩分が制限されています。
これって、ワンチャン猫ちゃんには美味しいとは言えないフードなんです。
病気の事を考えれば腎臓病用のフードが良いのですが、食べなければ痩せていってしまいます。
食欲の確認のためにも、日々の体調と体重のチェックを行います。
そして腎機能検査を、なるべく細かに行うようにします。
ワンチャン猫ちゃんは、ヒトの4倍も老化が早いと言います。
ヒトで年に1回の検査はワンチャン猫ちゃんは年に4回、つまり3ヶ月に1回の検査と同じです。
ヒトで年に2回の検査であれば年に8回の検査、1か月半に1回の検査になります。
腎臓病は進行が早いモノです。
体重を落とさないようにして、長生きせせてあげましょうね。
フードについては、ご相談ください。
病状に適したモノを、いっしょに探しましょう!!