院長ブログ
太股の腫瘤
2012.04.03
大腿部にある3cm大のシコリの摘除手術が行われた。
組織生検の結果から、飼い主さんの要望により摘出と決まったものだ。
11歳、まぁまぁの年齢だ。
輸液、痛み止め、鎮静剤、局所麻酔、全身麻酔…さて手術開始!
腫れている部位の皮膚を切開し、目指せシコリと筋肉の間を開き進んだ。
ん?電気メスで切開していくのだが、思ったより深いかも…
赤い筋肉の間に白黄色っぽい組織が見えてきた。
あら? 薄?い皮膜に覆われている感じがするぞ?
ひょっとして…
その膜を切り開いてみると、…あらやっぱり…
病理検査に出さないと何とも言えませんが、これは脂肪腫!
脂肪腫とは脂肪組織が皮膚の下や筋肉の間に塊状になって出来た、良性の腫瘍です。
一般的に痛みはありません。
良性でも、出来た場所によっては生活に不都合を生じる事もあるため、切除した方が良いこともあります。
また良性であっても、悪性の脂肪肉腫となる可能性があるので要注意の腫瘍です。
皮膜を破らないように、そっと摘出して行きます。
もし破ってしまうと、周囲の脂肪組織と区別がつきにくくなってしまいます。