院長ブログ
好酸球性の皮膚炎
2019.09.23
血液の中には、好酸球と呼ばれるアレルギーに関与する白血球が存在します。
もともと好酸球は、寄生虫の感染を防ぐ働きをする白血球でした。
しかし駆虫剤の使用から寄生虫に感染することがほとんどなくなってしまった結果、この好酸球がアレルギー反応に関与するようになってしまったのです。
猫ちゃんでは、アレルギーと関連した好酸球による皮膚炎を起こすことが多くあります。
皮膚炎を起こした部分から細胞を取り、細菌や好酸球などを検査し調べます。
好酸球が多く見つかれば「好酸球性の皮膚炎」と診断します。
また原因としてアレルギーが考えられるため、再発防止のためにも原因を探る必要が大切になります。
経験的にですが、皮膚炎が見られた場所により原因が違います。
背中に見られた場合には原因として「ノミ」が考えられますので、ノミを確認できなくてもノミの駆除を行います。
夏場に耳や鼻に見られた場合には原因として「蚊」が考えられます。
食事が原因の場合、頭や首に皮膚を起こしやすくなります。
しかも超〜激しい痒みのため後ろ足で引っ掻きまくり、血を出したり細菌感染を起こしてしまうことも多々あります。
食事が原因と考えられる場合には、原因となる食材を探す必要があります。
これ以外にもアトピー性の皮膚炎などもあるため、病変の部位から原因を確定することはできません。
猫ちゃんのアトピー性の皮膚炎は、ワンちゃんよりは少ないようです。
しかし場合によっては、調べる必要も出てきます。