院長ブログ
猫の肥大型心筋症
2008.11.05
「昨日まで元気だったのに、
腰がふらついて歩けないんです
本当に、突然なんです!」
その言葉に後ろ足を触ってみると、足が冷たい
肉球は真っ白
後ろ足が、麻痺して動かせなくなっている
呼吸も悪くゼーゼーと苦しそう
チェックしてみると、酸欠状態である
しかも聴診で、肺の音が…
検査から、猫の肥大型心筋症と診断
肥大型心筋症とは、心筋が厚くなって心臓の収縮機能が低下してしまう病気である
収縮機能が低下してしまった結果、各臓器に酸素を送り届けることができない
しかも心臓の循環不全から血栓が作られてしまい、動脈に詰まることがある
血栓が動脈に詰まると、当然だが血液が流れなくなってしまう
そのため激しい痛みから、鳴いたり暴れたりすることがある
よく血栓が詰まる場所は、大動脈から両方の後ろ足に分かれる場所である
そのため後ろ足に血が流れず、肉球は白く見える
また後ろ足が冷たくなり、麻痺して動かせなくなってしまうのである
この肥大型心筋症は原因不明の病気のため、まだ完全な治療法がない病気である
しかもこの子は、来院時には心臓内部にも大きな血栓があり非常に状態が悪くなっている
血栓を溶かす薬の内服を使用した場合…
小さくなった血栓が心臓から流れ出し、それが動脈に詰まる可能性がある
この病気の診断は…
◆レントゲン検査
心臓が機能低下により、ハート型の心臓(バレンタインハート)となっている
◆エコー検査
心臓の筋肉が正常よりも厚い
心臓の中に血栓が見つかる事も
◆血液検査
クレアチニンフォスフォキナーゼが異常値を示す