院長ブログ

第31会動物臨床医学会年次大会

2010.11.21

大阪市中之島にある国際会議場(グランキューブ大阪)で第31会動物臨床医学会年次大会が開かれました。この学会は関西で開かれるものとしては一番大きなもので、同時に幾つもの会場で発表や講演が行われます。

今学会の中で行われた『動物看護師ステップアップ・セミナー』の講師として招かれたため、大阪へ行ってきました。

学会事務局から頂いた演題は
『老齢犬の夜鳴き/夜鳴き対策、家庭でできること!』
『徘徊とは/徘徊対策、家庭でできること!』でした。

老齢管理を行っている動物病院として先駆けということで声がかかったのですが、…しかし、この演題の内容には少し問題あり…!?

というのは、当院に通う子達には『夜鳴き、徘徊』が少ないと言うことなのです。
これは実際に『早期からの老齢管理』をきちんと行っていると、大きな問題もなく一生を過ごすことが出来ると言う事を実証しているのですが…

そのため夜鳴き、徘徊の対処法より、夜鳴きをさせないための老齢管理法をメインに話してきました。

この『早期からの老齢管理』の一つに『歯科管理』があります。
『歯科管理』と言うと小難しく思いがちですが、実は以外と単純・簡単なことなのです。
それは、子犬のうちから『ドライフードをよく噛んで食べる習慣をつける!』これが歯科管理で一番大切なことなのです。

子犬のうちから良く噛んで食べると顎の骨格や筋肉、唾液腺が発達し、噛んで食べる事が当たり前になってしまい、老齢犬になっても良く噛んで食べるようになります。
また唾液腺が発達する事により、唾液も沢山出るようになります。
唾液は口の中の汚れを洗い流し清潔な状態に保つだけでなく、歯周病の生育をも抑えます。

もちろん、さらに歯磨きが出来ればもっと良い事には間違いはありません。また歯磨きが出来なければ「アクアデント」を使用したマウスウォッシュだけでも良いでしょう。

このように噛ませて食べさせると言う、チョットした習慣が老齢になっても口の中の問題が少なく済むことにつながるのです。

この歯周病と夜鳴きには一見関連が無いように思われますが、大きな関連性があります。
歯周病を起こすと、歯や歯根部に問題が起きてしまいます。
そうすると歯が痛くて我慢出来ない、歯が痛くてちゃんと食べれない、そして、お腹が減った状態が続き、痩せて寒さが身にしみるようになってしまうんです。
このような事が、夜鳴きの原因にもなってしまう事があるのです。

夜鳴きは単純に老化によるボケだけでなく、日常の健康管理の結果、引き起こす場合もある事を知って欲しいのです。

明るく楽しく、健康で長生きするためには、日頃の健康管理がとても重要で、そのためには飼い主さんの愛情いっぱいの観察が必要なのです!

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