院長ブログ

腸閉塞

2009.10.25

腸閉塞とは腸がなんらかの原因により閉塞し、消化途中の食べ物や便が通過出来ずにいる状態で、別名をイレウスともいいます

腸閉塞には、腸が物理的に閉塞により起こる「機械的イレウス」と
腸の神経や血管の障害により起こる「機能的イレウス」とがあります
ほとんどの腸閉塞は機械的イレウスで、その原因は癒着によるといわれています
この腸閉塞は、小腸や大腸のどの部位にでも起こる可能性があります

数週間前から不調を訴えてはいたのですが、食欲はあったので安心してたそうです
しかし便が出ないので「便秘?」とのことで、浣腸を!
すると元気になり、普通に生活をするのですが…
閉塞の最初のうちは、多少なりとも食べ物は通過していたのでしょう
また胃や詰まりかけた部分から上は、正常に働いているので食べられていたのです

腸閉塞の場合、小腸と大腸の閉塞を比べると大腸の閉塞では嘔吐はすぐには起きませんまた腸が完全に閉塞すると、便秘がひどくなります

ここに来院時は…閉塞が進行し便を吐くようになっていました
X線検査では…
腹部X線検査で拡張した腸が認められ、閉塞部位がわかります
詰まった食べものや消化液、ガスなどにより腸がパンパンに膨張し、しかも腸粘膜が腫れて炎症を起こしていました
このままの状態だと、腸の破裂から腹膜炎を起こし死に至るのは時間の問題でした
また頻脈、発熱、脱水などの全身症状も起きており、早期の開腹手術が必要と判断されたのです

ただ腸閉塞を起こすと、通常は腹部に痛みを出すのですが…
お腹を押しても、全く痛みを訴えないのです…

何でだろう?
そうも思いながら、開腹手術の開始です

回腸部分に癒着があり、それが原因による閉塞でした
しかも完全に閉塞しており、液体さえ通過しません
閉塞部位から上の部分は血液の流れも悪くなり、組織の変色も部分的に見られてます
そこ腸と癒着物を剥離し、閉塞部分と組織変色部分を合わせ約20cmほど腸の切除です

3週間も食べるに食べられず、2kg近く痩せたとのこと
しかも、そのうえ今回は約3時間におよぶ手術
なのに…
手術後1日もしないのに「ニャーニャー」と
しかも他の子が食餌をもらうと「私には?」と訴える眼

術後2日目、流動食の開始です
最初は食い付きが良かったのですが…
「ん?…これっ…私の食べ物じゃぁ?無いよ!」ってな顔つきなんです

なので、3日目からヒルズ社i/dを
カリカリと、すごく良い音
しかも顔つきも、満足そうです

手術後、気がかりなのはウンチです
「ぉぉぉぃ!ウンチゃ?ぃ!!早く出て来ぉ?い!!」
手術後5日目

待ちに待った、お客さんの顔が!
「ぉぉぉぉ、やったぁー!」

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