院長ブログ

猫から人へ感染 C. ulcerans

2009.08.14

コリネバクテリウム・ウルセランス菌

コリネバクテリウム・ウルセランス菌 Corynebacterium ulcerans (C. ulcerans )は人畜共通感染症の原因菌で、欧米諸国ではジフテリア類似の症状となることで問題になっています。
日本では千葉県で、2001?2002年に最初の2症例の報告があった病気です。
その後は岡山県、大分県、神奈川県からも報告されています。

C. ulcerans は感染症法で2類感染症に指定されているジフテリアと同じ毒素を作る菌で、風邪症状に始まり重症になると呼吸困難に陥り死ぬこともあります。

ヒトの症状は、食事ができないほどの咽頭痛と、血の混じった鼻水が止まらなくなると言うもので、C. ulcerans が、のどと鼻の奥全面に黄白色の塊のように付着していたそうです。

日本では届け出義務は無いため潜在患者は多いとみられており、厚生労働省は都道府県などに注意を呼びかける文書を出しました。
C. ulcerans は抗菌薬が効くとされ、また人から人へ感染した報告はありません。
なお大阪府公衆衛生研究所の調査では、犬から検出された例もあるそうです!

猫を屋外に出して飼うのは、やめましょうね!

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