院長ブログ

1分間に●回

2019.10.07

「はいッ、息を吸ってぇーーーーー!」
「ハイッ、息を止めてッ!」
「は〜い、息をゆっくり吐いてぇ〜〜〜〜」
病院で聴診を受けるときに、良く聞く言葉です。
ワンちゃん猫ちゃんにはチョット無理ですけど、ヒトの世界じゃ普通のことです。

心臓の鼓動は、意識しても速くしたり遅くしたりすることはできません。
しかし呼吸は普段は無意識に行われているのに、意識的にもコントロールできます。

ヒトだけでなく、ワンちゃん猫ちゃんも息を吸ったり吐いたり呼吸を繰り返しています。
呼吸は、大気から酸素を血液中に取り込み二酸化炭素を体の外に出すことです。

肺は空気を出し入れして伸びたり縮んだしてと思われがちですが、実際はそうではありません。
つまり肺そのものが動く仕組みにはなってはいませんので、肺が膨らんで息を吸っているのでは無いのです!

肺は自力で膨らむことはできず、逆に縮んでしまう性質のものなのです。
肺と心臓が収まっている胸腔は、どことも繋がっていない閉鎖された空間です。
肺は横隔膜と肋骨に付いている筋肉(肋間筋)により、胸腔内の容積を変化させて間接的に肺を膨らませ息を吸っているのです。
この横隔膜と肋間筋は呼吸に関わる筋肉であるため「呼吸筋」とも言われています。
この呼吸筋が動かなくなったら、呼吸はできなくなります!

日々の生活の中では、呼吸数も呼吸のリズムも気にすることもありません。
それは呼吸は無意識の中で行われており、呼吸が自然に行われるのは当たり前のことと思っているからです。

そのような呼吸ですが、呼吸数が体の状態を現してることがあります。
そのため我が子の呼吸数を測ることは、とても大切です!
特に心臓病の子は、呼吸数を測ることで状態の悪化を早めに知ることができます。

心臓が悪いと血液の流れが悪くなり、その結果体の組織に酸素が十分に行き渡らなくなります。
そうすると組織は酸素不足になるため『酸素が欲しいヨ〜』と、脳に訴えます。
そうすると脳は肺に「もっと空気を吸いなさい!」と命令します。
指示を受けた肺は、一生懸命呼吸をして酸素を取り入れようとするようになります。 
このように『心臓の状態が悪くなってくる=呼吸数が増える』のです。

呼吸数は呼吸器などの感染症でも増えることがありますので、何か変と思ったら受診して下さいね!

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