院長ブログ

お腹に水が!

2019.09.17

お腹の中にある胃や腸などの臓器をつつむ膜を腹膜といい、これら臓器が入っている場所を腹腔といいます。
この腹腔には健康でも少量の水がありますが、病気などの影響で通常よりたくさん溜まった水、またはその状態を『腹水』といいます。
溜まった水は、ただの水分では無くタンパク質や細胞など様々な成分を含んでいます。

腹水が溜まると、そのぶん体重が増えお腹が異常に膨らみます。
腹水の原因としては、肝臓病や腹膜の炎症、心臓病やガンなどがあります。

肝臓病になると、肝臓でのアルブミンつくる機能が低下します。
アルブミンは血液中の水分量を保ったり、水分を血管の中に引き込む働きをしています。
そのため血液中のアルブミンが少なくなると、血管の外に漏れ出た水分を血管内に戻すことができなくなり腹水が溜まってしまいます。

心臓は、全身へ血液を送るポンプの働きをしています。
そのため血液が十分に全身に送られないと、脳や肺をはじめ様々な臓器に支障をきたします。
心臓は腎臓と協調し、全身の水分のバランスを整える仕事もしています。
そのため心臓にトラブルを起こすと全身の水分のバランスが保てなくなり、腹水が溜まってしまいます。

ガンの場合で溜まる腹水は、ガンが腹膜に広がったときに起こりやすくなります。
これは腹膜にガンが広がると、そこに炎症が起こることからによります。
またガンが肝臓に広がると、血液中のタンパク質の量は少なくなったり肝臓内の血液の循環が悪くなり腹水が溜まってしまいます。

腹水が溜まれば、お腹が大きくなります。
最初はお腹が垂れ下がるように大きくなりますが、溜まる量が増えるにつれ横にも膨らみカエルのお腹のようになってきます。
ヒトだとへっこんでいたヘソが出て、出ベソにまでなるそうですヨ!

腹水が溜まってくると、胃や腸そして横隔膜に圧がかかってきます。
その結果、食欲が落ちたり、下痢や便秘、息切れや呼吸困難などさまざまな症状が見られるようになります。

腹水の量を減らすためには、その症状に合った治療を行う必要があります。

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