院長ブログ

あらら〜虫卵が

2019.03.18

不調の子犬がやってきた。
熱っぽい‥しかし元気?のように見えて動きが止まってしまう。
なんだ??

まず検便から!
あらま〜『お腹の中に寄生虫!』
しかも鉤虫

鉤虫の感染経路は四つです!
■経口感染
便中に排出された虫卵が幼虫となり、口から入って感染します。
幼虫が腸の中で育って親虫になり、卵を産みます。

■経皮感染
幼虫が皮膚を破って入り込んで感染します。
皮膚から体内に入り小腸に住み着き、親虫となり卵を産みます。
まれに3ヶ月齢以下の子の場合、気管に入り込んでしまうこともあります。

■経乳感染
幼虫が母犬の乳腺に入りこみ、その母乳を飲むことで感染します。

■胎盤感染
幼虫が母犬の胎盤に入りこみ、胎仔に感染します。
ただ胎盤感染は少ないと言われています。

何らかの経路で体内に入り込んだ幼虫は成長して親虫となり、鋭い歯で腸に食いつき血を吸います。
寄生する親虫の数が多いと、吸われる血の量が多いばかりでなく食いついた場所からの出血も多くなってしまうため貧血を起こしてしまいます。

お腹も痛くなりますよね!
食欲も落ち、下痢やタール状の血便などの症状が見られます。
子犬の場合は死んでしまうこともあります。

またヒトにも感染することもあります。
ヒトに感染した場合は幼虫が皮膚の下を動き回り、皮膚幼虫移行症や皮膚爬行症などを起こします。
感染したら嫌ですよね!

治療は駆虫薬を使用し
予防はウンチの処理を速やかに行い、環境を清潔に保ち
定期的な検便を行う事が大切です!

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