院長ブログ

血圧測定

2019.09.30

健康診断の中に『血圧』という項目があります。
「あら?犬のも血圧あるの??」
「血圧測定? どうやるの?」
「へー、動物のも高血圧ってあるんだ!?」

今から20年以上も前、まだワンちゃん猫ちゃんの血圧を測ることが一般的ではなかった頃には、本当によく言われました。

血圧とは、心臓から送り出された血液が動脈の内側の壁を押す力のことです。
血圧は心臓が血液を押し出す力と、血管の広がりで決まります。

高血圧になっても、痛みや違和感などの自覚症状を伴なうことはあまりありません。
ヒトでさえ自分が高血圧だと知るのは、血圧測定検査を行ってからです。
自覚症状が出た時は、相当悪化した状態の時です。
この無症候性の性質から、見逃してしまうだけでなく甘く考えてしまう病気です。

ワンちゃん猫ちゃんの高血圧は、何らかの病気が原因となっているが続発性の高血圧がほとんどです。
ワンちゃん猫ちゃんの高血圧は『150/95mmhg以上』を言います。
そのままの状態で放置しておくと、重い症状が現れることがあります。
高血圧になると、眼や脳、心臓や腎臓などの臓器に異常が見られます。悪影響を及ぼ

「眼」では突然の失明や眼内出血など、「脳」では眼振や斜頚などの症状が見られます。
「心臓」では心臓に雑音がでたり不整脈が、「腎臓」では多飲多尿や食欲不振などが見られます。
また尿検査で、蛋白尿が見られることもあります。

高血圧になった場合、血圧を下げる薬を飲まなくてはなりません。
高血圧は症状が無くても、早期発見して治療を始めることが大切です。
このことは、すべての病気で言えることです。
早期発見により、症状の進行を抑えることができます。

薬を飲んでいる場合には、定期的に検査を行うことで高血圧の状態を確認できます。
また薬の種類や量が合っているかも、調べることができます。

ヒトの血圧も、緊張すると高めに出てしまいます。
それはワンちゃん猫ちゃんも同様です。
そのため血圧は一回の測定ではなく、何回も時間をおいて測定しています。

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