院長ブログ

凝固検査

2020.08.01

血液は体を作っている組織に、栄養や酸素を運んでいます。
そのため、血液は血管の中を固まらず流れています。
これは血管の内側にある細胞に、血液が固まらない物質があるためです。

その血液も、血管にトラブルがあり傷がついてしまうと漏れ出てしまいます。
たとえ小さな出血でも、長い時間血が止まらないと出血多量となってしまいます。
そしたら大変!
命に関わる危険な状態となってしまいます。

どんな小さな出血でも、血管の破れを治し出血を止めるための仕組みがあります。
この仕組みを止血機構と言い、大きく2種類があります。
一つは血小板が、もう一つは血液凝固因子が主役となるものです。|

傷を負うと、その場所に血液の中にある血小板が集まってきます。
そして集まった血小板は丸い形から蛇足を出した形に変わり、傷の部分で固まり傷をふさぎます。
小さな傷はこれで血が止まる事もあります。

固まった血小板を、さらにガッチリと固めるのが血液凝固因子たちの働きです。
血液凝固因子たちは固まった血小板のまわりに網目状の膜を作ります。血小板やその他の細胞をからめて傷口をふさぎます。
この結果、血管の大きな破れからの出血もおさえる事が出来ます。
血液凝固因子は10種類以上が見つかっており、血液が固まるまで複雑に関わっています。

プロトロンビン時間(PT)と活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は、そのような血液凝固に関連した検査です。
そして凝固因子の働きをチェックする検査として、広く用いられています。

ちなみ出血が止まると、血管を破れの修復が始まります。
そして血管の修復が完了すると、固まった血小板などが取り除かれます。
傷を負った組織は、元のように戻ります。

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