その名は好奇心
2019.08.31
「血尿なんです!」
「オシッコがピンクっぽいんです!」
「茶褐色のオシッコが・・・」
「頻尿なんです!トイレに何度も行くんです!」
「とにかく、オシッコを所構わずいろんな場所でしちゃうんです!」
これらは膀胱炎の症状です。
そして今月は、これらの症状での来院がまぁ〜多かったこと多かったこと!
これらの症状は、膀胱結石や尿道結石でも見られます。
もし結石が尿管や尿道に詰まった場合は、オシッコは出づらくなったり出なくなります。
もしオシッコが出なくなったら死んでしまいますので、早急な治療が必要です。
これら結石は、膀胱や尿道の細菌感染症によって出来やすくなります。
これは細菌感染があると、オシッコがアルカリ性へ傾くためストルバイト結石が出来やすくなるからです。
また猫のオシッコは、健康でも検査でタンパク質が検出されることがあります。
これも結石を作りやすい原因と言われています。
オシッコ中のタンパク質ですが、一般的には健康な場合はオシッコ検査ではみられません。
もしオシッコにタンパクが出たなら、腎臓に異常があるされています。
しかし猫ちゃんの場合では、健康でもオシッコの中にタンパク質がみられるには、それなりの理由があります。
実は、猫ちゃんのオシッコにはフェリニンと言われるモノが含まれています。
このフェリニンがオシッコと一緒に体の外に出ると、あのクサイ臭いの元となります。
そしてフェリニンが作られるのを助けてるモノが、猫の腎臓で作られる「コーキシン」というタンパク質なのです。
そのため、このコーキシンなどのタンパク質がオシッコ検査で検出されてしまうのです。
コーキシンはタンパク質ですから、尿石の核となりやすくなります。
そして水の飲みが悪いとオシッコが濃くなり、オシッコ中のミネラルが集まり育って結石となってしまうのです。
とりあえず、膀胱炎や尿石症の予防は水をいっぱい飲みオシッコをいっぱいすることです!
そうすれば膀胱内に入った細菌は出ちゃうし、オシッコ中のミネラルは濃くはなりませんよね!
ちなみ「コーキシン」ってのは、岩手大学の猫の尿の研究で見つかった物質で、猫の好奇心強さからの命名とかだそうなんです・・って!