院長ブログ

エーラス先生とダンロス先生が見つけた!

2023.03.19

異常に薄くて些細なことでも破れてしまう、皮膚・・・
そんな病気を持った猫が来ました。
しかも生まれて半年チョットなんです。

皮膚は破れ、めくれあがっています。
他院で「皮膚無力症」と診断されたそうなんです。

「皮膚無力症」とは・・・
約100年前にエーラス先生とダンロス先生が見つけ、報告された病気です。

おおおおッ!
だからエーラス・ダンロス症候群とも言うんだ!

「エーラス・ダンロス症候群」は先天性の病気です。
しかも治療方法も無いんです!

エーラス・ダンロス症候群は「皮膚が無力」、つまり皮膚に力が無いんです。

この病気は皮膚のコラーゲン線維に、先天的な異常が起きた結果発症します。

とにかく皮膚が異常に伸び、しかも簡単に破れてしまいます。
そのため、ちょっとしたことでも皮膚に傷ができてしまうのです。

この病気かを調べるには「皮膚伸展指数」というものを調べます。
これは皮膚の伸び方と、体格とから算出します。

皮膚のチェックの様子

皮膚の伸びをチェックしています

皮膚伸展指数の計算方法は・・・
「背中の皮膚の伸びた長さ」÷「後頭部から尻尾の付け根までの長さ」×100


「皮膚無力症」と疑う場合には・・・
猫では19%以上、
犬では14‥5%以上です!
そして・・・
「皮膚無力症」と確定するには病理組織検査を行います。


「皮膚無力症」に有効な治療方法はありません。
そのため皮膚が傷つかないよう、服を着るなどして生活しなくてはなりません!

重症になると、とっても可愛そうです!

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