院長ブログ
保護したらFIPだった
2022.06.18
![ネコちゃんの飼い主さん](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/03/catkainusi_ico-300x300.png)
ネコちゃんの飼い主さん
先生、息苦しそうなんです!
あまり食べないから痩せてくるし・・・
あまり食べないから痩せてくるし・・・
![Dr.Nyan](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/02/index_symbol_blog-director.png)
Dr.Nyan
まだ子猫・・
舌の色も白っぽくて、顔色も悪い・・・元気もありません。
なるほど呼吸も変!
じゃー肺や横隔膜など胸の検査をしましょうね!
舌の色も白っぽくて、顔色も悪い・・・元気もありません。
なるほど呼吸も変!
じゃー肺や横隔膜など胸の検査をしましょうね!
![胸のレントゲン写真の様子](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2022/03/IMG_01.jpg)
レントゲン写真の結果、胸に液体が溜まっています
![シロちゃん](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/02/index_symbol_blog-staff.png)
シロちゃん
あらら大変だ!
胸に液体が溜まっているし酸素飽和度も低い・・・
胸に液体が溜まっているし酸素飽和度も低い・・・
あらら〜低酸素状態です。
息苦しさから呼吸するのが大変なので、食べることが出来なくなってます。
空気って、あって当たり前な存在です。
しかし無いと生きていくことは出来ません!
それほど大切なモノなのに、目に見えるモノじゃ無いので大切さを認識していません。
詳細な検査を行った結果、猫伝染性腹膜炎(FIP)でした。
しかも黄疸もでてしまっています。
FIPは猫腸コロナウイルスの遺伝子の突然変異に引き起こされます。
変異したウイルスにより、体の様々な場所でアレルギー性の血管炎を起こします。
その結果、リンパ節や腎臓、肝臓など多臓器に病変が起こります。
しかも病状の進行も早く、急速に状態が悪くなり死んでしまう全身性の炎症性疾患です
猫伝染性腹膜炎には「ウェットタイプ」と「ドライタイプ」があります。
多くの子は感染すると、お腹や胸に水が溜まる「ウェットタイプ」の症状を示します。
「ドライタイプ」は「ウェットタイプ」に比べ、慢性的な経過をとります
ちなみ腸コロナウイルスは・・
感染すると下痢を引き起こしますが、多くの猫は感染しても無症状です。
また猫腸コロナウイルスは、犬にもヒトにも感染しません。
FIPは、まだ猫で承認された治療薬はありません。
しかし治療効果のある薬があります。
今回、その薬を使ってみました。
みるみる肺の水は消え、呼吸も楽に!
そして良く食べられるようにもなりました。
保護された猫でしたので、そのまま保護されずにいたら死んでしまっていた・・・
そう思うと良かった!〜!
嬉しいですよね!