院長ブログ

食への取り組み・2

2019.09.29

食べ物から摂った脂質は、消化酵素などの働きで分解され体内に吸収されます。
脂質はタンパク質や炭水化物に比べて、同じ重さでもエネルギー量が2倍以上もあります。
そのため重要なエネルギー源となりますが、摂りすぎると肥満の原因にもなります。

脂質を構成する脂肪酸は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられます。
また不飽和脂肪酸は「オメガ3系脂肪酸」や「オメガ6系脂肪酸」などに分けられます。

ワンちゃん猫ちゃんは体内で合成できない脂肪酸もあるため、必ず食事から摂る必要があります。
これを「必須脂肪酸」と言います。

脂質はエネルギー源だけでなく、皮膚や被毛の健康維持や心臓、肝臓、腎臓の保護や機能を維持したり、細胞膜を構成する成分やホルモンの原料となります。
またビタミンAやビタミンDなどの脂溶性ビタミンが吸収される際にも必要です。

脂質が不足してしまうと被毛の光沢が悪くなるだけでなく、フケ症や皮膚炎にもなりやすくなってしまいます。
また繁殖機能が抑制されたり、妊娠中の欠乏は新生子の異常や死亡の原因にもなります。
脂質を摂り過ぎると膵臓に負荷がかり、その結果臓炎を発症する危険性が高くなると言われています。

◆オメガ3系脂肪酸であるEPA、DHAの働き

EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は魚の油に多く含まれる脂肪酸です。
この脂肪酸は抗炎症作用や抗凝血作用、血管拡張による降圧作用などの作用をもつため、様々な病気に子に役に立ちます。

例えば皮膚炎の子では、薬の使用量を減らすことができる場合もあります。
また心臓機能の改善や、不整脈による突然死を減らすことにも関係するそうです。
「痩せより超デブの方が長生きする」と言われます。
一般的に『脂質(脂肪)=悪者』のイメージがあります。
しかし実際には、適度な脂質を摂ることは健康の状態を良くする上でも大切なことなのです。

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食への取り組み:https://blog.dr-nyan.com/blog/food-feeding-efforts/

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