院長ブログ

食への取り組み

2019.09.25

ヒトや動物たちは、エネルギーや成長、発育、生命の維持に必要な栄養素を食べ物から摂らなくてはなりません。
栄養素はその働きや性状によりタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルに分けられ、これらを「5大栄養素」と言われます。
ほかに大切なものとして「水と食物繊維」があります。
これら栄養素の基本的な知識を知ることは、一生を健康に暮らすためには大切なことです!

ヒトとワンちゃん猫ちゃんでは、タンパク質、脂質、炭水化物などの必要な栄養素は同じでも、体が必要としている割合は大きく違います。
この違いを知らずにると、大きな病気になってしまうことがあります!

当然のことですが、ワンちゃん猫ちゃんの主食は炭水化物ではありません。
手作り食を作る場合には、必要とする成分割合が重要になります!
そのため、ヒトのレシピに近いモノを作ってしまうと健康を損なってしまいます。

ワンちゃん猫ちゃんにとり、最も重要な栄養素は『タンパク質』です。
しかもワンちゃん猫ちゃんにとりタンパク質は、超〜「スーパーフード」なのです。

タンパク質の役割は、必須アミノ酸(体内で合成できないアミノ酸)と非必須アミノ酸(体内で合成できるアミノ酸)を体内で合成するための原料となります。
健康な骨格、筋肉などを作ったり、酵素、ホルモンの合成や正常な内臓機能、強い免疫力の維持に重要な栄養素です。

タンパク質源として、鶏肉や豚肉、牛肉などさなざまなモノがあります。
しかし全てのタンパク質は同じでなく、またタンパク質の「質」によりアミノ酸の「質」にも違いがあります。
そのため、良質のタンパク源を食べさせる必要があります。
これは代謝や消化吸収能力が落ちてしまっている病気の子や老齢の子には、大切なことです。
また調理方法によっては「質」は下がってしまうことがあります。
私どもでは、飼い主さんには低温調理による方法で手作り食を作って頂いてます。

タンパク質は必要以上に摂り過ぎると、代謝により腎臓に負担をかけてしまうこともあります。
しかし不足してしまうと思うように筋肉が増えず体重が増えないなど成長の異常がみられてしまいます。
また正常な生理的機能が保てず、生体機能や免疫機能が低下し病気や感染のリスクが高くなってしまいます。
タンパク質は、その「質」を「量」で補おうとすると必然的にカロリー摂取量が増えてしまいます。
また低品質のフードや不適切な混ぜ物によりタンパク質の摂取量が少ない期間が続くと、一見健康に見えても体内では不調になっていることがあります。

必要なアミノ酸をバランス良く摂るには、食材によりアミノ酸の含有量が異なるためバラエティー豊かに食材をローテーションします。
しかし日々の栄養バランスを整えるは大変ですから、1週間単位で総合的に考えます。

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