心臓と腎臓
2019.11.13
心臓と腎臓とは、ただならぬ親密な関係にあります。
どちらかにトラブルが起こると、他の方にもトラブルが起こってしまうのです。
たとえば心臓の機能が悪くなれば、腎臓の働きも悪くなります。
また腎臓の機能が悪くなれば、心臓の働きも悪くなります。
そこで飼い主さんに説明する時、こんな話をしています。
「心臓と腎臓を『ひらがな』で書いてみて下さい!」
『しんぞう』と『じんぞう』って書き、その違いは「し」と「じ」です。
違いは『し』に濁点が付くか、付かないかです!
それだけ親密な臓器なんです!
これは、単純に文字遊び的な「こじつけ」にしかすぎません。
でも『心臓と腎臓の間には、切っても切り離せない赤い糸で結ばれたような関係がある』その例えによく使う話なんです。
心臓の機能が落ち血液の流れが悪くなると、心臓は一所懸命に頑張って血液の流れをよくしようとします。
その結果、血圧が上がってしまいます。
そしてその状態が続いてしまうと、動脈の血管の壁が硬くなってしまいます。
腎臓は心臓から大量の血液が流れ込む、細い血管が集まった組織です。
そのため、血圧が上がると腎臓の血管も硬くなってしまいます。
細い血管が硬くなると血液の通り悪くなり、腎臓の血液の流れる量が減ってしまい働きが悪くなってしまいます。
腎臓の機能が落ちると、赤血球を作るホルモンの分泌が減り貧血になります。
貧血になると、体の各組織に酸素が十分に行き渡らなくなります。
酸素は体の各組織が正常に働くためには、絶対に必要なモノです。
そのため腎臓も酸素が不足した状態となり、その働きは悪くなってしまいます。
また全身に酸素を送ろうと、心臓は心拍数を増やし一所懸命に頑張ります。
そして次第に心臓は疲れ、弱っていってしまうのです。
心臓と腎臓がお互いに影響してますが、詳細まではよくは分かっていません。
しかし互いに複雑に影響し合う関係ということは、わかっています。
そのため心臓か腎臓のどちらかに異常が見つかった場合には、他方にも気を使った治療を行う必要があります。