院長ブログ

怖―い!

2019.12.30

ワンちゃん猫ちゃんに寄生する回虫の卵は、土の中などでは死なずに長期間生き続けられる超〜丈夫な卵です。
その環境中での生命力はすごく、真夏の炎天下でも生きてるくらいとも言われています。

この回虫の卵が、何らかの拍子でヒトの体内に侵入してしまうことが‥…あります。
というか、本当に普通にあるんですよ!
そしてヒトの体の中で悪さをしてしまう、『幼虫移行症』を起こしてしまいます。

この『幼虫移行症』ですが‥‥
アメリカの調査で全米の1~11歳の子どもの5~7%が陽性だったそうです。
ただ全員に症状が出てるわけではないので、健康と思って普通に暮らしてた子もいたそうです。
この病気は、当然ですが日本でも診られているそうです。

ワンちゃん猫ちゃんの回虫の本来の宿主は、当然彼らです。
その回虫がヒトに寄生してしまった場合には、ヒトの体内では成虫になることができず幼虫のまま過ごします。

そしてヒトの体内で育った幼虫は腸の壁を破り血管の中に入り、体のあちこちに流れていきます。
血液は体の隅々まで流れていますから、体の多くの組織へと流れ着きます。

そしてたどり着いた先の組織の中で、幼虫は何カ月も動き回るために炎症を起こしたり組織を破壊したりしてしまいます。

幼虫が住み着いた先によって、その組織・臓器特有の症状が見られます!
例えば肝臓では、肝酵素の数値の上昇
肺では咳や喘鳴
脳では、てんかん様の発作など
眼では視力や視野の障害など‥…
過去には、手術で眼を取ってしまったこともあるそうです。

このように回虫は『人獣共通感染症』のひとつです。
しかもヒトには、このように怖い症状が見られます。
回虫以外にも、ヒトに感染する虫はいくつかいます。

私どもが検便を繰り返し行う理由は、このようなことからなのです!
ヒトが健康に暮らすには、病気の予防からです!

過去の記事をさがす