院長ブログ

出たー

2019.10.03

『ミクロフィラリア』発見!
すっご〜く久々に出会った気がする
あぁ〜あッ、フィラリアに感染しちゃってる!

あの「忠犬ハチ公」も、犬フィラリア症だったそうです。
犬フィラリア症とは、蚊が媒介する病気です。
フィラリアという寄生虫が体内に入り込むことで、体のあちこちにトラブルが起こります。

犬フィラリアの成虫は、肺動脈に寄生します。
そのため血液の流れが悪くなり、様々な症状が見られるようになります。
感染して最初に気がつくのは、喉にモノが詰まったような咳です。
また疲れやすく散歩の途中で息切れをするようにもなり、気持ちは前へと進むのに体がついていかないようになります。
さらに進むと腹水が溜まるなどの症状が出たり、最悪は死に至ることもあります。

蚊がフィラリアに感染したワンちゃんの血液を吸い、その蚊が他の動物を刺すことで感染が広がっていきます。
犬ミクロフィラリアは成長すると、心臓に寄生します。

ある大学の研究では、屋内飼育のワンちゃんの10%が蚊に刺されていたとの報告がありました。
このことからもフィラリアは、屋外だけでなく屋内で飼われている子にも感染してしまうことがわかります。

犬フィラリアは、ネコちゃんにも感染することがあります。
しかしネコちゃん体の中ではフィラリアは大きくは育たず、しかも心臓にまで行き着きません。
そのためハッキリとした症状が見えないため、気が付いた時には重症化していることもあります。
また症状が出ないまま、急死してしまうことさえあります。

フィラリア症は予防できる病気です。
ワンちゃんの場合は、飲み薬、注射薬、小さい子であれば滴下型の薬もあります。

ネコちゃんでは、滴下型の薬があります。
これは首筋から肩甲骨の付近に薬を垂らすタイプです。
そのため、飲み薬が苦手な子でも予防することができます。

これらの薬は、蚊に刺されてしまうのを防御するモノではありません。
感染したフィラリアを殺す「駆虫薬」になります。

飲み薬は錠剤やチュアブルタイプのものがあり、月に1回飲ませます。
また滴下型も、月に1回です。

蚊は平均気温が14度以上になると活動を始めます。
そのため飲ませる期間は、蚊が飛び始める4〜5月ころから蚊がいなくなった1ヵ月後までの11月〜12月までの8ヵ月間です。
ワンちゃんの場合には、血液検査をしてミクロフィラリアが寄生してるかいるかを調べてからの使用となります。
ネコちゃんの場合には、投薬前に検査は必要ありません。

予防が浸透した現在では、フィラリア症を見る機会は減りました。
しかしフィラリア症が無くなったわけではありません。
予防は、健康を勝ち取ることができる方法のひとつです。

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