院長ブログ

検便の意味

2020.05.08

検便の意味

調理に従事している方は、定期的に「検便」 を行います。
学校給食の調理に従事するヒトは、毎月2回以上検査を行います。

水道事業に関わる仕事、水道管理などに従事するヒトも検便検査の義務があります。
また保育や介護に関わる施設でも、検査するのが一般的と言われます。

それにしても、なぜこのように「検便」が行われるのでしょう?
それは症状が無い「健常保菌者」を見つけるためなんです。
症状がなければ感染してるかはわからないため、検査でしか発見できません。
食中毒は、怖いですもんね!

そのためには、こんなに頻繁に検査を行う必要があるのですね。

症状が無いけど、お腹の中に何か持っている。
これはワンチャン猫ちゃんでも、同じ事が言えます。

お腹の中に虫が寄生していても、症状が無い場合があります。
もちろん、何らかの症状がある子もいます。
これらの寄生虫の中には、ヒトへ感染するものも多数あります。


<回虫の卵を見つけちゃいました>

しかし下痢などの症状があっても、市販の下痢止めなどで治ってしまうこともしばしばです。
そのため、飼い主さんの多くが感染リスクを過小評価している傾向があります。

皆さんが思っている以上に、お腹の中のトラブルって多いんですよ!
土の上を素足で歩く子たちですから、ヒトよりも感染の機会は多いと思いませんか?


<薬を飲ませたら、出てきた虫です>

検便検査で、寄生虫が見つかることはさほど多くはありません。
しかし無症状でも、寄生している子も時たまいます。

健康に見えながらも、体内に病気の元を持っている。
下痢などの症状が無くても、体内に病気の元を持っている。
しかもヒトに感染してしまうなんて事があったら、嫌ですよね!

検便の意味は、『健康の確認』のためなんです。
そのためワクチン摂取時の健康診断の時などに、検査を行っています!

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