院長ブログ

ナチュラルキラー細胞療法

2019.05.30

当院では、ガンの治療としてリンパ球療法、樹状細胞療法などの免疫療法を行なっております。
免疫療法とは、体の免疫を強め免疫本来の力を回復させることによりガンを治療する方法です。
体の中で発生したガン細胞は、免疫により異物として認識しされ排除されています。

今回、新しいガンの治療方法として『ナチュラルキラー細胞療法』を開始しました。
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)とは『ナチュラル』は「生まれつき」、『キラー』は「殺し屋」の意味で生まれながらにもっている『ガン細胞を攻撃する細胞傷害性リンパ球のひとつ』です。

NK細胞はリンパ球の10~30%を占め、常に血流に乗って体内をパトロールしガン細胞やウイルスに感染した細胞などを見つけたら、即座に高い攻撃力でやっつけ排除する細胞です。
またNK細胞は樹状細胞のようにガンを狙い撃ちするものではなくガン細胞を認識し攻撃するため、血流に乗って移動するガン細胞があっても、それ見つけ排除する可能性があります。
そのため、手術などの治療を受けたあとの再発や転移の予防には効果があるとも言えます。

NK細胞の持つガン細胞への殺傷力は強力と言われますが、NK細胞療法だけで腫瘍を完全に消失させるには限界はあります。
ただガン細胞の増殖を止めたり腫瘍を小さくさせることにより、延命効果やQOL(生活の質)を高める効果はあると思えます。

ちなみ、笑うことでNK細胞が活発化し、体の免疫力がアップすると言われます。
『笑う角に福きたる』と昔から言われてましたが、本当なのですね!

『ナチュラルキラー細胞療法』とは
血液中からNK細胞を分離採取して、培養器の中で活性化・増殖させキラー活性(細胞を殺傷する能力)を高め、ガンへの攻撃力を強めた細胞を点滴で体内に戻してあげる治療です。

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