褥瘡

2021.01.20

まだまだ足腰丈夫な、千葉県佐倉市の『若山動物病院』院長・若山正之です。

この頃は、本当に寝たきりの子が少なくなりました!
ま〜日頃の飼い方が良くなったためでしょうか?
でも、時たま老齢の歩けなくなった子が来院します。

そのような場合には、再度歩けるようにと皆で頑張るのですが・・・
なかなか難しい子も来院します。
飼い主さんが心配するのは「床ずれ」です。

床ずれは「褥瘡=ざそう」と言います。
床ずれ=寝たきりと思われがちですが、寝たきりじゃ無くても出来てしまうこともあります。

床ずれは血流が悪くなったり滞ることで出来ます。
なるほど寝たきりで寝返りができない時に、多いのは事実です。

褥瘡は身体の外から加わった力により、
皮膚と骨の間にある脂肪や筋肉などの軟らかな組織の中の血液の流れを悪くしたり止められたりして出来ます。
また場合により、細菌感染を起こしてしまう事もあります。

前までは、褥瘡を「褥創」と書く事もありました。
その違いは文字の持つ意味で「創は傷」を「瘡は、できもの」を表します。
今は「褥瘡」となったのは、単なる傷では無いからです。

褥瘡は、最初は皮膚が赤っぽい感じになります。
見た目は大した事は無いように見えます。
しかし実際には、皮膚の下の組織は大きく傷ついていることが多いんですよ!

褥瘡を調べてみると、様々な違いがあります。
・圧迫により組織の細胞が潰れてしまっている
・血液の流れが悪く、組織がグルコースと酸素不足となっている
・リンパ液の流れも悪くなっており、老廃物質が溜まっている
・圧迫部分に溜まった炎症性物質により、組織障害を引き起こしている

■皮膚が赤っぽいのが褥瘡か褥瘡じゃ無いかのチェック方法は・・
皮膚の赤くなっている部位を、軽く指で3秒ほど押してみるとわかります。
褥瘡では無い場合は、押した部分が白っぽくなり指を離すと再び赤くなります。
しかし褥瘡の場合には、押しても赤みが消えずそのままの状態です!

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