院長ブログ

死戦期呼吸

2019.12.25

受付の横の方に『AED』が置いてあります。
それを見た方たちに、よく聞かれます。

「犬や猫でも、使うのですかぁ〜?」
「ほぉ〜犬や猫用もあるんですねぇ〜」
『いやいや、これはヒトようですよ!』

AEDとは、心臓がケイレンして血液がうまく流れなくなった状態(心室細動)の際に使用する医療機器です。
このAEDは、2004年より一般の方でも使用できるようになりました。
そのため、今では病院や診療所、救急車、、空港、駅、公共施設、企業等人が多く集まるところを中心に設置されています。
当院でも、来院した方などに万が一のことがあったらと思って設置しました。

AEDは、心臓が『心室細動』を起こしてしまった時に使います。
心室細動とは不整脈の一種で、心臓が小刻みに震え全身に血液を送ることができない状態を言います。
血液を送るポンプ機能を失った状態ですから、当然そのままだと死に至ってしまいます。

この心室細動の唯一の治療方法が、AEDなどの除細動器で心臓に電気ショックを与え正常なリズムに戻すことです。

実は心室細動などを起こし心臓が機能していなくても、呼吸をしているように見えることがあります。
この状態を「死戦期呼吸」と言い『しゃくりあげているような呼吸』に見えます。
この死戦期呼吸は正常の呼吸とは違い、は動いていてもが動いていません。
つまり肺には、空気が入っていってないのです!

AED使用の成功の秘訣は、一秒でも早く処置をしてあげることです。
電気ショックの成功率は、1分ごとに約10%も低くなると言います。
倒れたヒトがいたら、呼吸を確認し即刻AED処置を行いましょう。
時間が経過してしまうと、AEDを使用しても正常なリズムに戻るとは限りません。

「AED、使うの難しそう!」
「どう使うの?使い方知らないッ!」
そう思いますよね!!

今のAEDは、操作方法を音声でガイドしてくれるため安心して使えます。
しかも心電図が組み込まれており、電気ショックが必要な場合にのみ作動するようになっています。
安心・安全ですから、大丈夫!!
救急車が到着する前に、AEDを使って助けてあげましょう!

過去の記事をさがす