院長ブログ

幹細胞療法

2021.05.10

「多飲多尿」は慢性腎臓炎の特徴的な症状です。
これは腎臓の機能が落ち薄いオシッコを大量にするようになった結果、水をたくさん飲むようになる事によります。
この時の腎臓の機能は、健康な時の4分の1にまで低下していると言われます。
しかし元気も食欲も変わらず、異常に気付かないこともあります。

この状態が進んでくると、血液検査でクレアチニンと尿素窒素の値が高くなってきます。
これは老廃物をオシッコと一緒に排泄することが出来ない状態になりつつある、と言うことです。
しかしまだ貧血は起きてはいない!

このような腎臓の状態の子に、「幹細胞療法」を行うことになりました。
それは、まだ腎臓には生命維持に必要な機能が残っているからです。
もちろん点滴療法などの、従来の治療も行うことにはなります。

この治療で使う「幹細胞」とは、自分自身で傷や病気を修復する能力を持った細胞です。
「幹細胞」はあらゆる細胞に変化し、損傷部位を補ったり組織を修復する物質を出し本来持っている治癒能力を高めます。
しかも「幹細胞」は炎症を起こしたり損傷しているを場所に集まり、治そうとするパワーを持っています。

そのような力を持つ幹細胞を治療に使うのが、幹細胞療法です。
当院で使用される幹細胞は、皮下脂肪の中に含まれている幹細胞です。
この幹細胞を培養により増やし、治療に使用しまします。

「幹細胞療法は」に腎炎の進行を遅らせるだけでなく、生活の質を改善することが期待される治療方法です。

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