院長ブログ

尿石症

2019.03.23

尿石症は、ひどい場合には尿道閉塞を起こしてしまいます。
特に雄のネコちゃんは、尿石症により尿道閉塞が起こるとされています。
雄の猫は、細長く先っぽが細い尿道なので詰まりやすい構造なのです。

結石のできる原因は、オシッコの中のミネラル成分が増えることによります。
今回の子は、病院から買っている療法食を食べさせていたそうです。
このように尿石症に対応している療法食を食べていても尿石症になることもあるので、食事だけに頼っていてはいけません。

今回の原因の一つに、この時期の気温の変動もあげられます。
3月は、暖かくなってきたのに急に気温が下がったりする日もあります。
気温が下がると、水の飲む量は少なくなります。
その結果、オシッコは濃くなり原因となる結晶が出来やすくなります。
また気温が下がった上、トイレの場所が寒いところにあると我慢してしまう傾向にあります。

膀胱炎や尿石症になると、トイレに幾度も通ったり、オシッコに血が混じるようになります。
尿石症を幾度も繰り返していると結石で傷つけられた尿道粘膜が硬くなり、尿道が詰まりやすくなります。
また尿道閉塞を繰り返すと腎臓も弱ってしまい、簡単に尿毒症を起こしてしまいます。

尿石症から起こる尿道閉塞症は、急性腎不全を起こしてしまうため一刻を争う病気です!
急性腎不全は、すみやかに治療を行えば回復する可能性があります。
そのためには閉塞を解除し、尿道の損傷を治さなくてはなりません。
場合によっては、尿道の手術が必要となることもあります。

尿石症は予防ができる病気です!
予防で一番大切なことは、水の飲む量の確保です。
尿石症対応の食事を食べていても結石ができてしまうのは、水の飲む量が少ないからです。

尿石症予防のため『食事の内容と生活習慣』に気をつけましょう!

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