院長ブログ
腫れ
2020.12.30
「目が変です〜」との猫ちゃん。
実は・・
数日前までは涙が多いな〜
目の中に何かある。。。みたいだぞ_〜
そんな感じだったんです。
実は、目の中にあったのは『リンパ腫』でした!
リンパ腫は、体の中にある白血球の一種であるリンパ球が癌化したものです。
リンパ球は免疫に関わる細胞で、細菌やウイルスなどの病原体や異物の侵入の阻止や攻撃をする働きをしています。
リンパ腫はリンパ組織だけでなく、体の全ての組織に生じる可能性があります。
しかも猫ちゃんに見られる腫瘍のなかで、最も多いとされています。
その症状は、発生した部位によって様々です。
呼吸が結構早く、息苦しそうな猫ちゃんです。
息を吸うのにも相当な努力をしています。
血中酸素濃度もだいぶ低いため、辛いんだろうなと・・
しかも、胸のレントゲン写真の結果も・・・
リンパ腫の中でも、呼吸器に病巣を作るタイプが『縦隔型リンパ腫』です。
縦隔とは左右肺の間で、心臓や大血管、気管や食道などがある場所です。
そこにある胸腺が腫瘍化してしまったのが、胸腺型=縦隔型リンパ腫です。
また消化器である腸などに病巣を作るタイプが『消化器型リンパ腫』です。
リンパ腫には、いくつかの治療方法があります。
その中でも、抗癌剤がメインの治療になります。
また免疫力を上げてあげる必要もあります。
リンパ腫は、免疫の異常に関係するとも言われています。
そのため猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスに感染している子は、発生のリスクが高いとされます。
特に猫白血病ウイルスに感染してる場合はその傾向が強く、3歳までの若い猫に発症してしまいます。
また猫白血病ウイルスに感染していない場合には、8〜10歳とある程度年齢を重ねた頃に発症する傾向があります。