オカルト感染症ってなんだぁ?
2022.09.10
今日、皮膚病で来院した子がフィラリアに感染していたんです。
飼い主さんもビックリ!
飼い主さんの話では・・・
昨年、病院に通っていたことはあるそうなんです。
しかし予防薬を飲ませていたかの記憶は、途切れ途切れなんです。
記憶が・・・
フィラリアの予防薬を飲ませる前に、血液検査を行いますよね!
この検査は、血液中のフィラリアの仔虫である『ミクロフィラリア』の寄生を確認する検査です。
検査を行う理由は・・・
血液中に『ミクロフィラリア』が寄生していなければ、予防薬が使えるからです。
つまりフィラリアの予防薬を使うには、『ミクロフィラリア』が寄生していないことが条件になります。
しかしこの検査は、予防薬が使えるか使えないかを知るための検査です。
この検査だけではフィラリアに感染していない!とは言い切れません!
例えば心臓に寄生しているフィラリア成虫がオスだけ、またはメスばかりの時!
オスは仔虫は生みませんし、メスばかりだと仔虫は生まれません。
またフィラリアに感染しているのに予防薬を飲ませてしまうと・・・
『ミクロフィラリア』が検出されません。
フィラリアの予防薬は、ミクロフィラリアを殺す働きをする薬です。
そのためメスの子宮内にいるフィラリアの仔虫まで死んでしまいます。
その結果、仔虫は生まれないため検査しても検出されないのです。
フィラリアの成虫が心臓に寄生している!
しかし血液中にフィラリアの仔虫であるミクロフィラリアが見られない!
このような状態を『オカルト感染』と言います。
オカルト感染は、結構多いそうなんです。
どのくらいあるかは、ハッキリとはわかいません。
ただ過去に・・・
フィラリアに感染してる犬の4分の1くらいがオカルト症になっている、そんな話を聞いたことがありました。
実際には、そんなに多くはなくても・・・
検査でミクロフィラリア陰性でも、相当数のオカルト症の犬がいるってことですよね!
その子たちが治療を受けられずにいたら、心臓病が悪化してしまうんです。
それって恐くないですか?
オカルト感染の確認するには、免疫学的抗原検査を行います。
抗原検査とは、血液中のフィラリア成虫から排泄される微量な物質を抗原抗体反応で行う検査です。
ちなみフィラリアは犬だけでなく、猫やヒトにも感染します!
その感染源は『蚊』
蚊は小さな虫ですが、動物たちには大きな病気を引き起こします。