腎炎は大変!
2019.06.28
腎炎はじわじわと進行する病気です。
そのため悪化する前に見つけないと、生涯看護にもなりかねません!
万が一、入院したら長期になるばあいもあります。
そんな腎炎で来院する子が、多くなってきています。
腎臓には「ろ過」と「再吸収」という働きがあります。
「ろ過」とは
血液中の老廃物や塩分を体の外にオシッコとして捨てる働きをいいます。
「再吸収」とは
ろ過され出来上がった最初のオシッコには老廃物以外に栄養素や、塩分などの電解質が含まれています。
この体にとり必要な成分を体の中に再度戻す働きを、再吸収といいます。
この再吸収により、体内の水分量を一定にしたりバランスを調整します。
犬の腎炎と猫の腎炎とでは、その進行状態に違いがあります。。
犬の腎臓は「ろ過」に重点がおかれています。
しかし猫の腎臓は「再吸収」に重点がおかれています。
猫は腎臓病になると「再吸収」する働きが下がり脱水傾向となり、血液が濃くなります。
そのため血液が濃くなった分、見かけ上腎臓の検査値が高くなっています。
それほど腎臓が悪くない状態で、症状が現れます。
このため、水分を補ってあげれば症状を改善することができます。
犬が腎臓病になると「ろ過」する働きが下がります。
そのため実際に老廃物が体の中にたまり、腎臓の検査値が高くなっています。
気が付いた時には腎炎が思った以上に進行しているため、早く見つけたげることが大切です。
【まとめると】
猫は、
腎臓の再吸収する機能の低下
脱水状態になるため、早い状態で症状が現れる
体液を補えば症状を改善することが期待できる
犬は、
腎臓の濾過する機能が低下する
実際に体の中の毒素が多くなる
症状が現れにくく、気が付いたときには結構大変な状態になっているう。
腎臓病は治らない病気ですし、治療しても進行していく病気です。
そのため発見が早ければ、それだけ原因に対処することもできます。
また適切な水分補給と栄養で管理することで、病気の進行を遅らせることもできます。
腎臓病予防のため、水分の補給には注意しましょう!
また早期発見のために、定期的な健康診断を受けましょう!
ちなみ、腎臓はオシッコを作る以外にもいくつかの働きをしています
◆体の中のバランスを整える
腎臓は尿を作ることで、体内の水分とミネラルのバランスを整える働きをしています。
◆血圧を調節する
血圧=心臓と思うかもしれませんが、実際には腎臓も血圧の調節を行っています。
血圧が下がると、腎臓のろ過する働きが悪くなってしまいます。
そのため血圧が下がると腎臓は血圧を上げ一定に保つように働きます。
◆血液をつくるホルモンを作る
腎臓には血液中の酸素の状態を感知するセンサーがあります。
このセンサーが『酸素が足りない』と感じると、「骨髄」に作用して血液をつくらせるホルモンを作ります。
腎臓の機能が悪くなると貧血になるのは、このホルモンの量が減り血液が必要量つくられなくなるからです。
腎炎になると、このような仕事もできなくなります。