院長ブログ

ノミの子

2019.07.28

「痒がって、痩せてきちゃったんです!」
「どこを痒がってます?」
「背中やお腹です!」

そんな会話から始まり、話の内容からスタッフたちが皮膚病の検査の準備を始めた。
猫ちゃんは緊張しやすいので、ケージから出さずに診察を行なってたのだが、、
ケージの中には黒い砂粒状のモノが結構落ちてる。

「外に出ます?」
「いいや、出ません!」

砂粒の中を、細い小さ〜い黒っぽい生き物がいる。
歩いてると言うか、動いてるモノを捕獲!
セロテープに貼り付けて検査であるが、顕微鏡を見なくてもノミの幼虫であると確信!
そして砂粒は、ノミのウンチ。

親ノミ発見、やはりノミ感染症である!
ノミは皮膚に寄生する、一般的な虫です。
日本では主にネコノミが、ワンちゃんや猫ちゃんに寄生します。

ノミの親虫は血液を、幼虫はフケやノミのウンチなどを食べて生活します。
家の中の動物にノミが寄生してしまうと、屋内のあちこちにノミが飛び散ってしまいます。
これを環境のノミと言います。
ワンちゃん猫ちゃんに寄生する親虫を駆除しても、環境中のノミまでは駆除できせません。

実際にノミの成虫がワンちゃん猫ちゃんの体の上で生活する時間ははわずかで、一生の多くは環境で過ごします。
環境中にノミが散ってしまうと、簡単にノミを駆除できない理由がここにあります。

ノミは血を吸うと48時間以内に、1日平均30個の卵を産みます。
吸血しては産卵、このくり返しで大量に子孫を増やし1~2カ月で一生を終えます。
一匹のメスノミが産む卵の数は、500個にもなるとも言われます。
これが全部ノミになり、またそいつらが卵を産む!

膨大なノミの数になりますから、寄生された子は貧血死することも‥…
痒くて痒くて、そのうえ死んじゃうんですヨ。

家の中で暮らしてる猫ちゃんにでもノミの感染はあるんです!
このようなことが無いよう、しっかりと予防しましょう!

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