院長ブログ
ACE阻害薬
2019.11.15
心臓の左心房と左心室の間にある弁が、僧帽弁です。
この弁がうまく閉まらなくなったのが、僧帽弁閉鎖不全症です。
この弁が不調になると、心臓が収縮したときに左心室へと流れる血液が逆流してしまいます。
そして心臓のポンプ機能が正常に働かない状態が、心不全です。
僧帽弁閉鎖不全症は、心不全の原因の一つになります。
左心室のポンプ機能が落ちた心不全に『ACE阻害薬』を投薬すると
症状を軽くし心不全が進むのを遅らせ、一緒にいる時間を長くすることができます。
また『ACE阻害薬』は僧帽弁閉鎖不全症で腎臓機能が低下した場合にでも、死へのリスクを下げることもわかっています。
このように慢性心不全で腎臓機能が低下した場合にも、慢性腎臓病でもACE阻害薬を使うことが重要です。
当院で使用しているACE阻害薬は「フォルテコール錠やアピナック錠」などです。
多くの場合、心機能を改善させると腎機能も改善します。
そのため定期的な心臓の検査と、早期治療を行うことが重要になります。