経験
2019.11.23
腫瘍が見つかると、検査をします。
そして、検査の結果を飼い主さんに伝えます。
「腫瘍と言うよりは出来モノ、良性でした!」
こう伝えると、当然ですが飼い主さんは満面の笑顔です。
「悪性の腫瘍です!」
この『悪性』と言うとき、すっごく気を使います
病名を飼い主さんに伝えることは、診療の中では普通のことです。
病気はいっぱいありますから、病名も同じ数だけあります。
そんな病名の中で、一番飼い主さんにドーンと響くのは『癌、ガン、がん』です。
その理由は、長〜く苦しみ死に至るイメージがあるからでしょう。
しかし悪性腫瘍でも、考え方次第で中身の濃い時間を過ごすことができます。
実は私も主治医に告知されたときは、頭の中が真っ白になりました!
手術に至るまでの日々は、死の恐怖の中にもがく自分がいましたし。
しかし手術間際になったあころ、恐怖から開放されたのです。
ガン、心筋梗塞、脳卒中を「三大疾病」と言います。
もしこの中の病気に罹るなら「ガン」が良いと思うようになったのです。
ガン以外の二つの病気は、瞬間に死んだり後遺症が残ることもあります。
しかしガンは告知されたときは超落ち込みますが、意識もあり食べて歩けてウンチも普通にでき、残された時間を楽しく有意義にも使うことができるからです。
毎回『悪性腫瘍』と飼い主さんに告知する際に、自分の経験を話すのですが‥‥
もしガンになっても、時間はあります。
病気は『病+気』です。
「病」の部分を診るのは我々の仕事ですが、「気」の部分は飼い主さんの愛情です。
飼い主さんの気で、その子をケアできるんです。
免疫療法を抗ガン剤など他の治療法が無い場合など、最後の治療と考える方がいます。
しかし免疫療法は、今持っている免疫力を高める治療なのです。
笑顔いっぱい『笑うと免疫力がUPする』とも言われます。
そのような免疫療法も、治療のひとつですよね!k英検