院長ブログ

イボ痔?

2019.12.29

「うちの子、イボ痔?」
「いやいや〜ワンちゃんには痔はありません!」
「でも‥…」

なるほど、なるほど!
お尻に、肛門にボチッと腫モノが出来てます。

「肛門周囲腺腫瘍ですよ!」
「痔じゃないんだ‥…」

ま〜ヒトだったら、イボ痔とでも言うんでしょうか?
この肛門周囲腺腫瘍には「肛門周囲腺腫」と「肛門周囲腺癌」があります。
そのため、良性か悪性かを見極めるために病理検査を行います。

肛門周囲腺は「肛門」という名前がついてますが、肛門だけに出来る出来物じゃありません。
太腿の部分やお尻周り下腹部などにも、ポチッと出来てしまうことがあります。

また肛門周囲腺腫は去勢手術を受けていないオスの子に出来やすいため、ホルモン依存性とも言われています。
そのため肛門周囲腺腫の発生は、去勢手術を行うことで予防ができます。
また肛門周囲腺腫が出来てしまったら、去勢手術を行うことで小さくすることができる場合もあります。

肛門周囲腺腫の治療は、一般的には切除手術が行われます。
また去勢していなければ、その際に再発防止のためにも去勢手術を行うことを勧めます。

そのままの状態にしておくと、肛門周囲腺の表面が潰瘍状になり出血しジクジクし場合により化膿してしまいます。
ちなみ猫ちゃんには、肛門周囲腺は無いので肛門周囲腺腫ができることはありません!!

肛門周囲腺癌は悪性腫瘍ですし、ホルモン依存性ではありません。
そのためオス雌関係無く、発症します。
肛門周囲にイボ状のモノを見つけたら、ご相談くださいね!

過去の記事をさがす