院長ブログ
腹壁ヘルニア
2020.01.14
お腹の中の腸や肝臓などの臓器は、腹膜で覆われています。
その上を筋肉、皮下脂肪、皮膚が覆っいます。
腹壁ヘルニアとは、腹膜と皮膚の間にある筋肉の弱くなったところから腸などの臓器が飛び出してしまった状態を言います。
いわゆる「脱腸」です!
腹壁ヘルニアは、過去に手術した傷の部分に見られる場合もあります。
これを腹壁瘢痕ヘルニアとも言い、お腹の手術の合併症とされています。
これはお腹の手術の傷跡が、健康な部分と比べ弱くなっていることが原因となります。
腹壁瘢痕ヘルニアは、そのまま様子をみていても自然には治りません。
開いてしまった部分が広範囲だと、とんでも無いことになってしまうこともあります。
しかし多くの場合は、お腹にデベソのような膨らみを見るだけでなんです。
もし自分のお腹にあったらな、なんか違和感を感じるような気がするのですが多くの場合は無症状なんです。
その部分を押すと、出っ張りをお腹の中に戻すことができます。
もしその部分から腸が飛び出し、そこに血が通わなければ壊死してしまうこともあります。
また飛び出した腸が戻らなければ、緊急手術を行うこともあります。
腸閉塞は超痛いし、吐き気も出ます!
腹壁瘢痕ヘルニアは、その部分を縫い合わせても再発してしまう場合があります。
そのためヘルニア部分の内側に人工補強材(メッシュ)を入れ、穴をふさぐ手術使を行います。