院長ブログ
腹膜炎
2020.03.01
腹膜はお腹の中にある、肝臓や胃、小腸や大腸などの表面を覆っている膜です。
ヒトでは、全体を広げると畳1枚分にもなるくらいのモノです。
腹膜には、多数の細い血管が網の目状に走っています。
そして腹膜に何らかの原因で炎症が起こるのが、腹膜炎です。
その原因としては、胃や十二指腸、小腸、大腸などに穴が開いてしまう消化管穿孔やや細菌感染があります。
また、ガンが原因で起こる場合もあります。
消化管穿孔とは消化管に穴が開くことを言います。
穴が開く原因としては、潰瘍や腸閉塞、便秘などがあります。
穴が開くと、胃や腸の中身が便が漏れ出てしまいます。
そんなモノが漏れちゃったら、とても痛いでしょうね〜
<小さな穴が開いてしまった腸です>
でも、その痛みを超我慢してる子もいます。
うずくまって、しかめっ面。
お腹を押すと嫌がるのですが、、
早めに見つけてあげる必要があります。
そして炎症がお腹の中全体に広がる前に、処置を行うことが大切です。
胆泥や胆石が原因で、胆汁がお腹の中に漏れでちゃうことがあります。
この場合は、全身状態が急激に悪化してしまうことがほとんどです。
しかも手術を行っても、その後の治療が長引くことが多い状態になってしまいます。
急性膵炎による膵臓の壊死は、激しい腹痛を伴う重症の腹膜炎を起こします。
多くの腹膜炎は、その症状として腹痛、発熱、吐き気から始まります。
そして症状が進むにつれ、お腹全体がカチカチに固くなっていきます。
しかも呼吸や循環の状態も悪化していきますので、早めな対応が必要になります。