院長ブログ

胃までの通り道

2020.03.24

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」って言葉もあります。
これは「熱いモノは飲み込んでしまえば熱さを感じなくなる」と言うことなんですが。。
でも実際に、そうなんでしょうか?

熱いモノを飲み込んだら、そのモノは食道に入っていきます。
しかし熱いモノが入り込もうとすると、食道の入口にある神経が熱い刺激で食道の入り口の筋肉を緊張させます。
つまり熱いモノは食道の瞬間的な反射により、飲み込めないシステムなんです。

これって、体の防衛反応の一つなんです。
もし食道にトラブルが起きたら、栄養の補給が出来なくなる可能性がありますものね!!
そして補給路が絶たれたら、生命の維持は難しくなります。

そんな食道は、ノドから胃までをつなぐチューブ状の組織です。
しかし、ただのチューブではありません。
また、食べたモノが単純に通過していくわけでもありません。

食べたモノは、口からノドへと移動します。
そうすると食べたモノが食道に入れるように、食道の入り口にあるリング状の括約筋が開きます。

そして食道の筋肉はリズミカルな波のような「ぜん動運動」により、食べたモノを胃の方へと送ります。
横になっていても食べたモノが胃へとスムーズに届くのは「ぜん動運動」のおかげなんです。

食べたモノが食道を移動し胃に近くなると、食道の出口=胃の入り口にあるリング状の括約筋が開き、食べたモノは胃の中へと入っていきます。
胃の中のモノが逆流しないようになっているのは、この2つの括約筋の働きによります。
特に食道の出口=胃の入り口にある括約筋は、しっかりと閉じるようになっています。

食道は、割りと丈夫な組織とは言われます。
しかし胃酸の逆流により、傷ついてしまうことがあります。

また激しく吐くと、食道の下の方や胃の上の部分を傷つけてしまいます。
この部位は、胃の中のモノが逆流しないように閉じている部分付近なんです!
また最悪は、食道が破裂してしまうこともあります。

『吐くのは当たり前』では無いんですよ!
このような重大な事態を引き起こしてしまってからでは、遅いんです!
吐くのに慣れてしまうのはダメ!
超〜大変なことにもなりかねませんので、注意しましょうね。

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