院長ブログ

すごい便秘!

2008.10.31

「トイレに入って、力んでいるが何も出ない…」
そんな症状で来院してきた猫がいます

お腹を触ってみると、固い物に触れるのだが…
それも、石のように固い…
しかも、下腹部から胃のあたりまで続くのだが…

話しを聞いてみると
「トイレに通うが出ない状態が幾度かあり、病院へ通っていた」
とのことである

X線写真を撮ってみると
下行結腸、横行結腸、上行結腸はパンパンである
しかも便の太さが3センチ以上もあり、骨盤腔の広さを超えている
これじゃ?いくらふんばっても出ないぞ!

重度の便秘である
猫の便秘は比較的良く見られる
ウンチの姿勢をとっても軟便や粘膜が出るだけのこともあり、下痢と間違えることもある
また力みすぎが、嘔吐する時も
猫の便秘の症状は、オシッコが出なくなる尿道閉塞と似ている部分もあり注意が必要である

この巨大結腸症は…
便秘の状態が長期に続いたため、結腸の弾力性が失われてしまった結果起こるのである

治療方法としては…
とにかくウンチの太さが骨盤腔より大きいのであるから、細くしないと出ない
肛門付近のウンチが、一番水分が少なくなって固い
この便を一度肛門から遠い位置に移動し、軟らかくして崩す所から始めるのである
そして順次、結腸内のウンチを軟らかくしていくのである

猫の便秘は、食餌管理がとても大切な病気である
食物繊維の多いヒルズw/dなどは、ウンチの量を増やし大腸の働きを活発にするため、よく使われる
また食餌療法と併せて、腸の動きを活発にする薬や、便の状態を固くしないようにするシロップなどをつかう事もある

毛球が原因で起こる便秘の防止には
ラキサトーンやキャットラックなどのサプリメントの使用がお薦めである
ちなみに子猫が便秘をした場合には、グリセリン系の浣腸を使うと脱水症状を起こす事があるので注意!

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