院長ブログ

ウンチが

2021.02.02

胃腸は丈夫な、千葉県佐倉市の『若山動物病院』院長・若山正之です。

この時期は寒暖の差かから胃腸系では『下痢』での来院が多くなっています。
ちなみ『下痢』は症状であって、病名ではありません。

下痢で来院の際、飼い主さんにご覧いただくのは
「あなたの知らない“うんち”の世界」と言うカードです。
このカードは飼い主さんとスタッフが、ウンチに対しての認識を同じ程度にするためのものです。
毎回、それを見ながら診察が進められていきます。

そして必ず行われるのが、検便です。
ウンチは多くの情報を持っています!
何せ、口から肛門まで体の中を長い旅をしてきましたからね。

「検便」では何を検査しているのかというと
もちろん、お腹の中に住む虫が寄生しているかの確認は重要です。
しかしそれ以外にも、病気を起こすような細菌がいるかなども調べなくてはなりません。

この頃、ウンチを調べていて思うことがあります。
イソスポラ=コクシジウムは減り、ジアルジアが増えたかな〜って。
またウンチを、検査専センターに出すことも多くなりました。

当院では下痢でも下痢止めを出すことは、あまりありません。
その理由は、下痢の原因を探し出し対処するためです。

また重症化する子も、ほとんどいません。
それは飼い主さんが下痢に対しての知識が多いこと、そして対応が早い事からと思っています。

下痢は転院して来る方の多い症状の一つです。
飼い主さんの話を聞いていて
『下痢は大きな病気の一症状であるという認識が薄いな〜』って思うことが多々あります。

「いつもウンチが軟らかい」
「決まったもの以外を食べると下痢になる=フードが合わなくて」
「腸が弱くて・・」
「普通のウンチと下痢を繰り返している」

このような慢性的、もしくは再発を繰り返す場合を「慢性腸症」と言います。
その原因には、いくつかあります。

・フードによる、食物アレルギーなど
・腸内細菌による、薬剤反応性腸症
・腸そのもののトラブルである、炎症性大腸炎など

「下痢」には原因が単純で一時的なものから、原因が複雑なものまで多々あります。
ただの水っぽいウンチなのですが、奥は深いんですよ!

軽い下痢でも、続いたり繰り返す場合にはご相談ください!

過去の記事をさがす