院長ブログ

人獣共通感染症

2011.01.31

米医学誌「Emerging Infectious Diseases」2月号に掲載された報告によると、健康に見えるペットでも、ヒトの疾患の原因となる寄生虫、細菌、ウイルスをもつ可能性があるという。
250種類の人獣共通感染症(zoonotic disease)のうち100種類以上が家庭で飼われるペット由来のものであると、報告の共著者の1人である米カリフォルニア大学デービス校獣医学部動物疾患学教授のBruno Chomel博士は述べている。

人獣共通感染症の年間発生数は正確に把握されていないが、Rabinowitz氏は「米国では年間数百万例の感染症がペットとヒトの間で伝播しているのではないか」と推測するとともに、「それがペットによるものだとわからない症例も多数存在すると考えられる」と述べている。

近年、米国医師会(AMA)、米国看護師協会(ANA)、米国獣医師会(AVMA)の支援による「One Health」と呼ばれる取り組みで、医師と獣医師が十分に情報交換し、連携していくことが推進されている。米国疾病管理予防センター(CDC)によれば、ヒトの病原体の約60%が人獣共通であるという。Rabinowitz氏は双方向の感染について、「動物からヒトだけではなく、ヒトから動物にも疾患の感染がみられる」と指摘している。

原文 [2011年1月20日/HealthDay News]

過去の記事をさがす