院長ブログ

咳が・・

2021.01.30

寒くなったせいか、咳をする子を診ることが多くなりました。
咳は呼吸器のトラブルで出ますが、その大元が心臓の場合もあります。
そのような中で、小型犬に多く見られる心臓病が『僧帽弁閉鎖不全症』です。

この病気は血液の流れが悪くなるので・・・
→ 体の中の血液の流れが悪くなる
→ 肺も鬱血を起こし水分が肺の組織にしみだしてしまう
→ 咳をするようにもなり、その状態が進むと呼吸も辛くなります。

心臓をチェックする際に、『BNP』と言うホルモンを検査する事があります。
この『BNP』は心臓から分泌されるホルモンで、心筋を保護する働きをします。
つまり心臓にトラブルが起こると『BNP』が増え、心筋を保護します。

しかも症状が出る前に『BNP』は増えています。
そのため『BNP』検査により、心臓の機能が落ちる前にトラブルを発見することができます。

心臓病は、ワンちゃんの死因の上位の方に位置しています。
しかも心臓病のほとんどが、僧帽弁閉鎖不全症と言われています。

治療は、心臓の動きを楽にしてあげることです。
まず血液の流れをよくし、心臓の血液を送り出す機能を助けてあげます。

そのため血管拡張薬を使い血管を広げ、血液の循環を改善させます。
また心臓の収縮力や、心臓の筋肉の中を流れる血液の量を増やしてあげることもあります。

『心臓病=死』と思う方も多くいらしゃいます。
じゃ〜「目の病気=失明」でしょうか??
違いますよね!!
心臓病の進行を遅らせてあげ、快適に過ごせる時間を長くしてあげましょう!

また肥満は良く無いとは言いますが、痩せも良くありません。
太ももやふくらはぎは、第二の心臓と言います。
痩せることにより筋肉を落としてしまうと、心臓の悪化を早めてしまいます。
歯周菌も心臓に悪さしますので、口の中のケアは重要になります。

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