院長ブログ

血管肉腫

2019.08.18

「がん」は、体のすべての臓器・組織から発生しますが、その発生した臓器・組織により呼び方が違います。
「がん」の中でも骨や脂肪、筋肉、神経などから発生したものを『肉腫』といいます。

肉腫の中で良く知られてるのは骨肉腫ですが、その他にもいくつかの肉腫があります。
肉腫の中でも、厄介なのが血管肉腫です。

血管肉腫は、血管の内側の壁を覆う薄い細胞の層である「血管内皮」にできる悪性度がとても高い悪性腫瘍です。
つまり血管がある場所であれば、どこでも発生し、また転移率も高い腫瘍です。

血管肉腫は高齢のワンちゃんの脾臓や心臓、肝臓、皮下組織などにできやすい腫瘍です。
皮膚や皮下にでできる血管肉腫は、太陽の光や放射線、怪我などが原因になるといわれています。

血管肉腫が皮膚にできた場合、最初は内出血したようなアザや発疹かた始まります。
その成長スピードは速く、だんだん大きくなりシコリを作っていきます。
また、その表面の皮膚が破れて潰瘍をつくりジクジクます。

血管肉腫は非常に脆く出血しやすく、脾臓や肝臓にできてる場合には破裂して死に至ってしまうこともあります。

血管肉腫の治療の第一選択肢は、外科による摘出です。
ただ血管肉腫は転移率が高いため、手術のみではなく抗がん剤や活性化リンパ球療法などの他の治療方法を併せて行う必要があります。
またインターフェロンγによる治療を行うこともあります。

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