院長ブログ
膀胱腫瘍
2021.02.26
1年前の健康診断で、膀胱腫瘍が見つかった子が来院しています。
膀胱腫瘍には良性と悪性がありますが、猫ちゃんの場合は悪性の腫瘍は少ないとは言われています。
この子は、残念ながら移行上皮癌=悪性の腫瘍でした。
しかも発生した場所が『膀胱三角部』という所でした。
この場所は・・・
腎臓から流れてきたオシッコが膀胱の中に入る場所でもあり、膀胱からオシッコを体外に出す尿道につながる場所でもあります。
そのため、腫瘍が大きくなると様々な障害が起こる場所でもあります。
例えば・・
オシッコが腎臓から膀胱へ流れない、オシッコが膀胱から排泄できないなどです。
オシッコがうまく出来ない状態になると、腎臓にも負担が出てしまいます。
また他の臓器への転移もあります。
一般的な膀胱腫瘍の症状は・・
血尿や頻尿など、まるで膀胱炎のように思えます。
しかも一時的に良くなったとしても、原因が取り除かれない限りは繰り返してしまいます。
膀胱炎と思っていたら実は腫瘍だった・・・なんてこともあります。
繰り返す膀胱炎には、注意しましょうね!
ちなみこの子は、投薬と活性化リンパ球療法を行なってます。