院長ブログ

口の中の生命体

2021.02.07

その中には超多数の細菌が住み、その中のいくつかの細菌が歯周病を起こします。
歯周病を起こす細菌を、歯周病菌と言います。

この歯周病菌を口の中から追放してしまえば、歯周病の病魔から開放されます。
じゃ〜歯周病菌をどうやって追放するのか・・・
これが結構〜難しいんです!

まずは歯周病菌の確認なんですが・・
時たま顕微鏡の中で動き回る、大きな生命体に出会うことがあります。
良〜く見ると、鞭毛=ムチみたいな細いモノを活発に振り回しています。

この生命体は『口腔トリコモナス』と呼ばれる原虫で、歯周ポケットの中などに住んでいます。
この口腔トリコモナスが見られる場合には、歯周病はかなり進んでしまっています。

口腔トリコモナスは、口の中の細菌と比べると結構大きいんです。
その活発な動きに、しばし見入ってしまう事もあります。
軍団で見られた時は、無口にもなってしまいます!

こんな大きな生命体が口の中を動き回っている、いや〜怖いですよね。
しかも、嫌なことにヒトにも感染してしまうんです!
感染は唾液を介して起こりますが、咳などの飛沫でも広がっていきます。

口腔トリコモナスを飲みこんでしまっても、胃酸により死んでしまいます。
しかしトリコモナスを吸い込んでしまった場合には、免疫力の弱まったヒトでは肺のトリコモナス感染症を起こしてしまうことがあるそうです。

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