院長ブログ

血便

2019.08.16

ウンチに血が混じる場合を『下血』と言いますが、
一般には『血便』と言われることの方が多いようです。

そして『血便=赤いウンチ』と思う方も、多くいるかとは思います。
実は「黒いウンチ」も、血便の仲間なんです。
しかも黒いウンチは、見た目では出血があるとは気がつかないこともしばしばです。

この赤と黒の違いは、出血場所の違いによるものなのです。
『赤いウンチ』は、大腸など肛門に近い場所での出血です。
そして『黒いウンチ』は胃や十二指腸など肛門から遠い場所での出血なのです。
肛門から出た時は黒いウンチでも出血した時は赤い血が出るわけですが、それが腸の中を通り消化されていくうちに黒くなってしまうのです。

黒いウンチは、タール状や海苔の佃煮ようになって肛門から出てくることもあります。
また大量の出血がある場合には、赤いまま出てくることもあります!

見た目が黒いウンチでも、割って見てみるとウンチの表面だけ黒く中が普通の場合もあります。
これは食べたモノやウンチの通過する時間の関係で黒くなったもので、血便ではありません!
黒いウンチの場合には、割って中まで黒いかを確認する必要があります!

このように「赤い血便」と「黒い血便」は、原因と引き起こされた病気が軽いモノから重度のモノまでさまざまです。
「赤い血便」は大腸炎など、比較的急に始まることが多いです。
「黒い血便」は胃や十二指腸の潰瘍や癌など、ジワジワと長い時間出血していることが多く、急な変化が見られることはあまりありません。
そのため出血に気が付きづらく、また重い病気であることも多いため気をつけなくてはなりません。

赤いウンチにしろ黒いウンチにしろ、普通のウンチではありません。
「ウンチの色が、いつも違う!」
「何か、ウンチがおかしい!」
と思ったら、検査や治療が必要な場合もあります。
その際はウンチ全体の写真を撮り、そして乾かないようにウンチも一部で良いですからお持ちください!

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