院長ブログ

お腹痛〜い

2020.01.05

口から入った食べたものは、食道から胃、十二指腸、小腸、大腸と肛門側へと移動していきます。
そして胃や腸は食べたものを消化し、栄養や水分を吸収します。
最後まで消化されず残ったモノは、直腸でウンチとして形作られ体の外に出されます。
また同時に、お腹の中にあるガスも外の外に出されます。
このように直腸までの動きのことを「蠕動(ぜんどう)」といいます。

ウンチがちゃんと出ないのを『便秘』と言うのは、誰もが知っていることです。
そして便秘といえば、ヒトでは高齢者に多く見られます。
これはワンちゃん猫ちゃんでも、同じことです。

便秘は腸を動かせば治る、そうすれば簡単に改善すると思っている飼い主さんも少なくはありません。
しかし、便秘を軽〜く考えてはいけません!
便秘はQOL(生活の質)を下げるだけでなく、日々の生活に大きな支障をきたします。

便秘を起こすには、いくつかの原因があります。
たとえば、腸の蠕動(ぜんどう)運動に問題が弱く動きが悪い場合です。
またウンチが直腸に降りて来ても、ウンチしたいスイッチが入りづらい場合などです。

この原因として、自律神経の働きの異常があります。
健康な腸は交感神経が働くと動きが弱くなり、副交感神経が働くと良く動きます。
しかし加齢とともに、副交感神経の働きが低下していきます。
その結果、便秘になってしまうのです。
ウンチのでが悪い子は、オナラが腸の中に溜まってしまうこともあります!

そうすると、お腹痛〜い!
ウンチとオナラで、ダブル腹痛!!!
お腹痛いと背中が丸くなり、ワンちゃんが猫背になってます。

便秘になると腸の粘膜が持つ『腸管バリア機能」が低下してしまいます。
その結果、免疫力が落ちてしまい病原体の侵入を防ぐことが出来なくなります。

便秘になると、下剤を使おうと普通は思います。
しかし下剤は常用してしまうと腸の粘膜にある絨毛が短くなってしまい、蠕動運動がうまくできなくなってしまいます。
絨毛は、食べた物から栄養素を取り込む働きをしています。
それが上手くできないと、栄養が足りなくもなります。
このように、便秘って奥深いんです!

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