院長ブログ

謎のガス

2020.12.25

今日も快食の、千葉県佐倉市の『若山動物病院』院長・若山正之です。

時たま「お腹が張って苦しい!」って事ありませんか?
食べ過ぎなんでしょうかねぇ〜
「お腹の張り」とは、お腹全体または部分的に張った感じがすることです。
この状態を、腹部膨満感と言います。

こうなってしまう原因の一つに、腸の中のガスがあります。
いわゆる『オナラ』です!

オナラは腸内細菌のバランスの乱れから悪玉菌が増え、その結果異常発酵し発生します。
また、腸のオナラを出す力が低下し溜まってしまうこともあります。
ま〜便秘が続いても、オナラも出づらくなりますよね!

胃が張って苦しい時もあります。
胃の運動機能が低下して起こるのが、胃部膨満感です。
でもゲップしたら楽になった・・なんて事も。
ゲップも『ガス』です!

このように、胃や腸の中にガスが溜まってしまうことがあります。
しかもよく見られる事です。
オナラやゲップをしたことの無いヒトなんて、いませんものね!

ところが、、、
胃や腸の中では無い場所にガスが溜まることがあります。
このお腹の中に空気が溜まっている状態が『気腹症』です。

胃や腸の内側ではなく、外側にガスがあるのは不自然なことです。
一般的に気腹症は胃腸に穴が開き=消化管穿孔を起こし胃腸の中のガスが漏れ出てなります。
漏れ出る原因として、胃腸内の異物や腫瘍、潰瘍などです。
つまり、健康な状態の子には普通では見られません。

しかし、この子は元気も食欲もあります。
全く炎症も起こしていまないんです。
この稀な状態を『特発性気腹症』と言いますが・・・
このガスは、いったいどこから来たんでしょね?

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