院長ブログ

嗅覚

2019.11.30

「ヒトと犬の嗅覚ですが、どちらがすぐれているでしょう?」
このような質問に、多くのヒトは「犬」と答えると思います。

「どのくらい嗅覚は違うでしょう?」
「ヒトの嗅覚は犬に比べて、超貧弱で超劣っている!」

そうですよね!
警察犬や麻薬犬など、ヒトに全くわからないニオイまでわかってしまうんですもんね。
そのため、ヒトの100万倍の嗅覚を持っているなんて言われます。

また吐く息から「肺がん」や「乳がん」を、血液のニオイから「卵巣がん」肌は「皮膚がん」ウンチで「大腸ガン」など、ニオイから病気を見つけ出す研究も行われています。
やっぱり犬の嗅覚ってすごいな〜って思うのです。

ヒトの嗅覚が劣っていると言われる理由は
脳全体と脳の中で匂いの情報を処理する部分との体積比が『犬では0.31、ヒトは0.01』で、ヒトは犬に比べてとっても小さいことからです。
ヒトは犬の31分の1ですもんね!

それにヒトは、生きるために嗅覚を使うことも少ないですもんね。
そのため臭覚が退化してしまった?とも言われているのですが‥‥

ところが‥
ところが‥・
最近の研究では、その考え方はチョット違うんじゃぁ無いかと言われてるんです。

「朝日新聞電子版」には『人間の嗅覚はイヌ並みに発達している』
科学誌「サイエンス誌電子版」には『人間の嗅覚はネズミやイヌ並みに鋭い』このような記事・論文が掲載されているのです。

ニオイをかぎ分ける能力は、嗅覚受容体遺伝子数が多いか少ないかによって決まることがわかりました。
そして嗅覚受容体遺伝子数は、ヒトでは396個、犬では811個なんです。
つまり犬のニオイをかぎ分ける能力は、ヒトの倍しかないのです。
ちなみ嗅覚受容体遺伝子の発見に対して、2004年度のノーベル医学生理学賞
が授与されています!

また、かすかなニオイをかぎとる能力は嗅神経細胞の数によります。
ヒトと犬では、嗅神経細胞の数はほぼ同じであるとされています。

つまり!
ヒトは犬と比べ、嗅覚遺伝子数は約半分で嗅神経細胞数はほぼ同じだということが、わかったのです。
この結果から、ヒトとイヌでは嗅覚の差はさほど無いとされたのです。

理論じゃそうなのかもです。
でも〜なんとなく納得できないのですが、皆さんはどう思われますか??

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