院長ブログ

「細胞診」と「組織診」の病理学的検査について!

2022.11.14

腫瘍には体の中だけでなく、皮膚や皮膚の下など手で触ってわかる部分にも出来ます。
この子は、皮膚の下に出来てしまった腫瘍です。

お腹にできた腫瘍の様子

皮膚の下に出来たシコリです

このようにな病変を見つけちゃうと、どうしても気になりますよね?
何の腫瘍なのか?
良性なのか悪性なのか?
どうすれば良性悪性わかるのか?
どんな治療方法があるのか?

腫瘍の種類や悪性度を知るためには・・・
「細胞診」や「組織診」などの病理学的検査を行う必要があります。

細胞診とは、腫瘍に針などを刺して細胞を採取して検査する方法です。
もし腫瘍がジクジクとか爛れている場合には、その分泌物を採取して細胞を調べます。

細胞診を行った場合・・・
採取した細胞の数が少ないと、正確な診断ができません。
そのため良性・悪性の識別が難しくなるため、再度採取して検査を行う必要があります。

細胞診で検査結果が出ても・・・
それは「推定診断」とされ、最終的な診断にならないことがあります。
その場合には、さらに詳しい検査として「組織診」を行います。

「組織診」とは特別な針を使い、腫瘍組織の一部を採取して調べる検査方法です。
これは「生検」とも言われる検査方法のひとつで、
細胞診よりも確実な診断が行えます。

ただ検査を行うに針は細胞診のものとは違い、チョット太めになります。
そのための検査部位に局部麻酔を行い、組織の採取を行う必要があります。

もし「針での生検」を行っても、ハッキした診断が出来ない場合には「外科的生検」を行います。
これはメスで腫瘍の一部、もしく全部を切り取り調べる方法です。
この検査を行うには、結構大掛かりとなります。
そのため場合によっては全身麻酔を行う必要があります。

この子の細胞診の結果では、癌でした。
しかも悪性度が結構高い、乳癌でした。

手術後の様子です

乳癌の手術が終わったときの様子です。

処置としては外科的な処置として、摘出手術を行いました。
その後は、内科的な処置を行うことにもなりました!

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