院長ブログ

口 臭いッ! part2

2019.11.02

歯周病になる前の段階でみられるのが、歯肉炎です。
健康な歯肉は綺麗なピンク色ですが、炎症を起こすと赤っぽ〜くなります。

そのままにしておくと、歯周病へと進んでしまいます!
そして歯周ポケットができ、その中を歯周病菌の軍団が悪さをしていきます。
歯周病は、治る病気ではありません。
そのため「歯肉炎」の段階での処置が、とても大切になります。

もしそのままにしておくと‥‥
歯周ポケットの奥の歯根膜や歯槽骨の組織が、壊れてしまいます。
その結果、出血したり痛みから食欲も落ちてしまいます。
また歯がグラグラにもなります。
歯が痛ければ顔に触れることも嫌がりますし、元気もなくなります。

さらに歯周病が進むと、歯の根の部分が化膿し膿が溜まってしまうことがあります。
そうなるとその部分の骨が溶け顎の骨に穴が開き、さらには目の下の頬の部分の皮膚にも穴が開くこともあります。

また口と鼻の間の骨が溶け、鼻の中にも穴が開きます。
鼻水やくしゃみをする時は、歯を疑うこともあるのはこのためです。

猫ちゃんの口の中のトラブルは、なかなか気が付きにくいものです。
しかし、ワンチャン同様に多くの症状が見られます。

もともと猫ちゃんの歯は、真っ白です。
しかし歯垢や歯石が付くと、茶色っぽくなってしまいます。
動物病院では、特殊なライトを当てて検査してます。
この光を当てる、歯垢・歯石がピンクに光るので一目瞭然です!

特に上顎の奥歯は、変色しやすい場所です。
口の中のトラブルは見てもわかりますが、口臭でもわかります。
直接嗅いでみれば良くわかるのですが、ちょっと難しいこともあります。
そのような場合は毛づくろいした場所をチェックし、その部位が変なニオイになっていればトラブル発生です。

しかし歯周病の痛みから、毛づくろいをしない子もいます。
今まで毛づくろいを良くしてた子が、急に毛づくろいをしなくなった場合には口の中の確認です!

口の中の痛みは、歯周病ばっかりではありません。
口内炎でも、痛がる子は多くいます。
口の中にトラブルが起こると、よだれから口のまわりが汚れるようになる子もいます。

また気にして、前足で口を頻繁に触るようになる子がいます。
そのため前足が、よだれ汚れになり毛が汚くカピカピになります。

口の中のトラブルが起きた場合には、薬を飲ませなくてはならなくなります。
しかし痛みから口を開かせないだけでなく、顔さえも触らせてくれない場合もあります。
だからと言って、そのままでは可哀想です!
結構治療に手こずる猫ちゃんも多くいます。

歯周病は、治らない病気です。
歯周病にならないようにするには、歯垢が付くのを防ぐことです。
また口腔内の免疫力を高めるとともに、歯周病菌を増やさないことです。

歯垢は磨けば取れますが、歯石は歯磨きでは取り除くことができません。
歯石が付かないようにするには、毎日の歯磨きが必要です!
しかし猫ちゃんの歯磨きは、超大変ですよね!

歯石になる前の段階、歯垢が綺麗になれば歯石はできません。
その歯垢は、磨けば取れます!
もし歯磨きができないのであれば、他の方法を行う必要があります!

『歯垢を少しでも取り除き、口腔内環境を整える』
その方法を、当院では飼い主さんと一緒に考えています!!

猫ちゃんの最高長寿は38歳、そしてその半分の年齢は19歳!
ヒトの最高長寿は122歳、その半分の年齢は61歳です。
ヒトの61歳は、まだ若い!ですよね??
それなら猫ちゃんの19歳も、まだまだ若いと思えませんか?

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